シロテテナガザル「モモ」の出産について

March.13th.2021(Sat)

九十九島動植物園森きららで2月10日、シロテテナガザルの「モモ(10才)」が出産いたしました。
「モモ」は、獣舎で単独飼育しているため、なぜ妊娠出産したのか調べておりますが、隣り合う獣舎の鉄柵の隙間で交尾した可能性が高いと考えています。
出産翌日には授乳の様子も確認することができ、赤ちゃんを抱きかかえて献身的に子育てをしていることから、展示場での飼育も行っています。

思いがけない出産で飼育スタッフも驚いていますが、当園では今後もモモの子育てと赤ちゃんの成長を温かく見守っていきます。

今回の「モモ」の出産について、様々なご意見をいただいております。
その中で、当園として「モモが一頭で飼育されていたこと」、「再発防止に努める」ということにつきましては、次のような理由があることを補足させていただきます。

 

【一頭で飼育している理由】
モモは2010年に生まれ、2014年頃までは父親と母親と一緒に同じ獣舎で暮らしていました。しかし、5、6才くらいになると性成熟するため、父親と近親交配する可能性が出てきます。テナガザル類などの希少種は、種の保存のために国内外で血統管理を徹底しているため、近親交配をしないように飼育管理を行っています。ただ、このような理由があるとはいえ、一頭で飼育すると、モモは寂しい思いをしなければなりません。当園では、モモに寂しい思いをさせないために、色々と工夫をしています。飼育担当者が、一緒に遊びながらトレーニングしたり、エサを探させる行動を起こすために、様々な容器を手作りしたりで、懸命に向き合って、身体的な健康だけでなく、精神的な健康の維持にも努力しています。今では、飼育員との信頼関係もできていると思っております。そしていずれは、モモにお婿さんを見つけてあげる予定でした。

 

【再発防止の理由】
隣り合う獣舎で飼育しているフクロテナガザルやアジルテナガザルが父親であった場合は交雑種となります。現代の動物園では、種の保存の観点から交雑種の出産は避けています。「種の保存」は、動物園の存在意義・役割のひとつです。ただ、当園では動物たちが本来持っている繁殖の本能は成就させてあげたいと考えており、モモも、他の動物園にいる同じ種類のオスザルとお見合いさせて、繁殖の経験をさせる予定でした。

 

今回は、当園の説明不足で様々な誤解や憶測を招き、ご心配をおかけしましたこと、誠に申し訳ございませんでした。
モモと赤ちゃんはすぐには引き離すことはありません。
赤ちゃんが性成熟する5、6才くらいまでは一緒に暮らします。
当園のスタッフ一同、赤ちゃんの命を大切にし、今後も、すべての動物と向き合っていきます。

 

 

※シロテテナガザルの「モモ」とアジルテナガザル「イトウ」は入れ替えで展示をしています(午前:アジルテナガザル「イトウ」/午後:シロテテナガザル「モモ」)
※動物の体調等により展示時間を変更する場合があります。